こんばんは。Home演出の吉本多恵です。
この度、初めて演出をとらせて頂きます。


これから何度かにわたって、Homeの稽古風景。思うこと。その他いろいろを書いていけたらなぁ、と思います。
稽古日報の延長線上みたいなもので、その日ではなく一週間、一ヶ月とかいうちょっと長めのスパンでお送りします。



さて、7月末~8月にわたってオーディションをし、本格始動しましたこの公演。
企画自体は作者、三島和也氏が発案し、紆余曲折ございまして、わたくしが一つの作品を預かったという形でございます。

演出という立場に立つのは初めてですし、慣れない事も分からない事もたくさんありますが、任命して下さった三島和也氏、私のやりたい事に同意して下さったアナザー参加者各位、後押しして下さった皆様にただ感謝ばかりです。



まず、演出するにあたり、台本の読み込みから始めたわけでございますが、この台本でまず一番強いメッセージは何か?
そのメッセージを伝えるには何が必要か。
それぞれの役の役割、立場、お話しの中での立ち位置、意味合い。
そんなものの読み解きから始めました。

転機与砲では別の名前で何度か役者をしておりますが、全く違う台本の読み方をしなければ、おそらく求められているものを読み解く事はできないだろう、と思い、論文を読み進める気持ちで読みました。
その作業は高校時代の国語の授業や、大学時代のゼミの授業、色々なものを思い起こさせました。


作品自体のキーワード。
役から感じたものをつなぐキーワード。
作中にある言葉もあれば、ないものもある。

とても不思議な時間でした。



舞台は自分の生き様であるのかなぁ?なんて思います。
わたくし如きが何かを語るという事もおこがましい事でありますが、舞台と自分という関係は不思議でならないものであります。
そこには圧縮と拡散、自分と他人、主観と客観様々に対になるものが渾然一体となり、自分が輪郭を与えたものが揺らぎ、本来は同一の場所に、時間にある。
さながら宇宙のようなものであると思います。
自分の自覚の無い部分が揺らぎ、震え。そこに感情が与えられる。
不思議なことこの上ないものです。



そうこうしながら、もう一人の演出、弥生さんと何日もにわたって喧々諤々としながら、キャスティングが決まったのが8/1。

Homeの台本をとった時点で、私の中には一つ決まりきった強い核がありました。
それは、ザ☆ローリーという役者です。

主役に据えた理由として、信頼ももちろんありますが、彼自身の羽化。今がまさにその時。
そしてその羽化こそが、このHomeの命運を握っていると確信しています。

そして新人の春風日和子、飛登美兄、我愛奈あん子を迎え、出発したHome。

最初は根拠の無い自信でしたが、稽古を重ねる毎に一歩ずつ確信に近づいています。


『これはとんでもないものができるかもしれない』


これから先、たくさんの障害はありますが、それでもなお、絶対にいい芝居になると思っています。


今まで賭けるつもりもなかった自分の名前を賭け、私は一歩も逃げません。
本番まできっちりと向かい合います。

皆様最後までよろしくお願いします。